四間半の梁

家づくりは大子町にある株式会社樹輪というところにお願いしていまして、そこの親方こと菊池均さんから

 

「いい材料にあがったどー。見においで!」

 

と電話を受けていそいそと大子へおでかけ。

 

その材料というのは建設予定地の裏山の木で、杉の葉や枝が落ちてくるし将来的に倒れてくると面倒なので元々切る予定だったものなんですが、3年前、開墾し始めたころは常陸大宮市の樵さんに「パルプにしかなんないよ」と言われた材料でした。

 

もったいないなーと思いつつも、取りあえずそのままにしておいたのですが、親方と出会って家づくりをお願いしてから現地を見てもらうと

 

「これ使ってみっけ」

 

と嬉しい言葉。

そもそも屋敷林というのは土に栄養が多すぎてあまり良い木は育たないそうです。それでも自然に生えてきたわけではなく前に住んでいた方が植えては管理してようやく材料として大きくなったもの。林業は50年、100年というスパンで見ますが、今の建築(建築に限りませんが)ではいいところ30年の使い捨て。

人工乾燥で艶のなくなった木や、若木利用という大義名分

 

で作られた集成材ばかり使っていてはさもありなん。

 

写真は、新月伐採、3か月近く葉枯らし乾燥して製材してもらった材料。

つやつやとしています。

屋敷林だと鉄分が多いのか杉の赤味の部分が黒くなっていますが、これはこれで味がありますね。なんと四間半の長物の梁。見ているだけで木の生命力を感じます。

こうした大きい材料を扱える大工さんが減り、一方から見れば「パルプにしかならないもの」が、技術さえあれば「素晴らしい木材」となるんですね。

他にもたくさん材料の写真撮ったのですが、デジカメで撮ったためパソコンとつなぐコードが見つからないのでまた後日。

 

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